稚子ヶ墓山 ― 裏六甲 ―
藍那(あいな)古道、丹生山、帝釈山と縦走コースを歩いて来たら次は稚子ヶ墓山である。1579年の秀吉の丹生山焼き打ちの際、犠牲になった侍童、稚児を村人たちが憐れんで葬ったことから稚子ヶ墓山の名が付けられたという伝説がある。伝説というには新しく、また具体的な話であるから多分真実だろう。
丹生山系で一番高く596mあるが、スタート地点が高いので、正味300mぐらいの軽登山である。しかし、ガレ場が多く上り下りとも傾斜がきついので甘く見てはいけない。足元はしっかり登山靴で固め、ステッキも必携である。ガイドブックでは帝釈山(たいしゃくさん)を下りて国道428号を横断して稚子ヶ墓山に上るように書いてあるが、私は逆の方から行くことをすすめたい。
箕谷駅前から市バス111系統衝原(つくはら)行きに乗って大滝口で下りる。僅か5分の乗車であるが、車が多く歩くには適していない道だから、面倒でもバスに乗るべきだ。下りると右側に柏尾台という新しい住宅地があるのでその中へ入って行こう。歩<こと30分、志久入口という道標に達する。

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ここからが山道だが、すぐガレ場になる。しっかり足元を見つめて歩こう。30分ほどで肘曲りという地点に到着する。これを右に曲がれば志久峠を経て淡河方面へ行く、真っ直ぐ行けば稚子ヶ墓山だが、あと1キロだからここでゆっくり休んで行こう。肘曲りから相変わらずの石ころ道を30分登ればもう山頂である。
小高い石積の中央に「稚子墓山伝説遺跡」という標柱が立っている。
帰路は縦走路の道標に従いながら約1.5kmかなりけわしい坂道を下り双坂池に出る。ここから428号をダラダラと約1時間歩かなければならない。これ で、登山口に至るまで1時間も車道を歩くのは我慢できない。帰り道なら何とか我慢できる。舗装道路を歩くのに飽きたころグリーンスポーツホテルのすぐ下 に、Nというレストランがある。私の知人がお気に入りの店である。ここで一休みしてコーヒーを一杯、谷寺口のバス停まではあと5分である。
文:廣川 幾雄
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