布引の滝― 中央区葺合町 ―

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布引の滝はその名のとおり、布を引いたような柔らかな美しい滝だ。岩肌や緑の木々によくマッチしている。
最初の雌滝、200メートルの間に鼓滝、夫婦滝、雄滝の四つの滝が続く。「白布をさらすに似たり」と江戸時代の書物にある風景だ。なかでも最上流の雄滝は高い。上から垂らした白布がねじれたように落ちている。滝つぼの底に別の世界があるという伝説も残っているそうだ。
布引の滝は歌枕の滝、観光の滝として古くから人々を集めた。
栄華物語では、藤原師実(もろざね)も布引の滝見物にきたとある。また、源平盛衰記では平家の清盛、重盛の親子が、源氏では頼朝の兄悪源太義平も滝見物にきたと記されている。
明治五年、この滝を詠んだ和歌三十六首を選び歌碑を建てたそうだ。布引の滝三十六歌仙だ。現在では27基が残っている。
『たち縫わぬ紅葉の衣そめ出でて何山姫のぬの引の滝』 順徳院
自然石に見事な文字で刻まれている。順徳院の歌のついでに文学散歩もいい。
滝を見ながら布引ハーブ園やダムヘの散策コース、歌碑を廻るコースもお薦めである。
文:佐野 良
☆布引渓流は日本の名水百選(昭和60年 環境省選定)に選ばれています。
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