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神戸と文学、あの場面この場面



寒かった冬を越え春も本格的になってきたこの季節、うららかな陽気に誘われて普段何気なく通っているあの道、この道に目を向けてみませんか。

きっと新しい発見があるはずです。 神戸情報館、3月の特集では、神戸にゆかりのある文豪や文学作品を求め、その背景となった場所や記念碑、造詣を深めることができる場所を紹介します。

巨匠と呼ばれる文豪と神戸の間にある意外な接点や、小説の舞台となった場所に立って文学のイメージを深めてみるのも神戸の素敵な楽しみ方のひとつです。

 

文学スポット紹介  倚松庵  横溝正史生誕地碑  御影公会堂
資料館を訪ねて  神戸文学館
文学碑巡り  山本周五郎「須磨寺附近」  陳舜臣  松尾芭蕉
与謝蕪村  水上勉「櫻守」  谷崎潤一郎「細雪」



ちょっと知ってた? 神戸ゆかりの文学スポット

風光明媚な神戸は多くの作家や小説とゆかりがあります。 小説が生まれた、あるいは小説の舞台として描かれている、そんなスポットに足をとめて作品の世界に想いを よせて見てください。

「細雪」のモデルとなった谷崎潤一郎の旧家 倚松庵

画像:倚松庵 文豪、 谷崎潤一郎が昭和11年から18年までを過ごしたという旧邸。
妻の松子とその2人の妹、娘という女性4人暮らしから、名作「細雪」のアイデアが生まれたと言われています。

美しい景観を奏でる松の木は、そのまま愛妻の松子夫人に結びついていたのでしょうか?

彼はこの地とこの倚松庵を深く愛していたそうです。情緒豊かな雰囲気が、耽美の世界に誘ってくれます。

【倚松庵】
開館日: 土曜・日曜のみ(年末年始休館)
開館時間: 10:00〜16:00
住所: 神戸市東灘区住吉東町1-6-50
TEL: 078-842-0730
URL: http://isyouan.cool.ne.jp/



金田一シリーズでおなじみの横溝正史が誕生した地 「横溝正史生誕地碑」

画像:倚松庵 横溝正史は明治35年(1902年)に神戸市東川崎町で誕生しました。 その後同じ町内で数回転居するなど、東川崎町は非常に縁のある町です。 また、その近郊の新開地や神戸駅周辺も氏ゆかりの場所、なじみの場所が多くあります。

平成16年11月23日に神戸市中央区東川崎町でメビウスの輪をかたどった生誕地碑の除幕式が行われました。

横溝正史生誕100年を越えて、ファンの方々の横溝正史への思いが今なお熱く感じられます。

【横溝正史生誕地碑】
住所: 神戸市中央区東川崎町4丁目
(東川崎公園内)


誰もが涙したあの名作「火垂るの墓」 野坂昭如著に登場した御影公会堂

画像:倚松庵 昭和8年に御影町公会堂として建設され、昭和13年の阪神大水害、戦災、平成7年の阪神大震災と、 3度の大災害にも耐え抜いた築70年を超える古い建造物です。

映画では主人公の一人である節子が 母親と待ち合わせをしますが会えません。 御影公会堂から程近い御影近辺が前半 の舞台になっています。

余談ですが、地下食堂のオムライスには根強いファンがいます。

【御影公会堂】
住所: 神戸市東灘区御影石町4-4-1



明治以降の神戸ゆかりの文学が集う 神戸文学館

画像:倚松庵

平成18年12月にオープンした神戸文学館では明治以降の神戸にゆかりのある文学者を時代ごとのテーマに沿って紹介しています。

常設展示ゾーンでは、谷崎潤一郎や横溝正史など文豪の名に相応しい方々の文学資料や愛用の品、また手書きの原稿まで見学することができます。魂のこもった原稿からは文豪たちの熱気が伝わるような迫力があります。

また、サロンでは神戸を描いた作家たちの作品が自由に閲覧できます。 ゆったりと落ち着いた神戸文学館で、神戸ゆかりの文学に触れてみてはいかがでしょうか? イベントや催しにも力が入り、定員オーバーが続出しています。

◆小話「由緒ある神戸文学館の建築」

神戸文学館は明治37年、関西学院大学のチャペルとして建てられました。
また近年脚光を浴びているヴォーリス建築事務所が設計し、 神戸大空襲や阪神・淡路大震災も乗り越え、市内最古のレンガ造りの教会建築物となりました。
ステンドグラス、イギリス積みのレンガ、アーチ型の梁など見所がたくさんの建物です。

【神戸文学館】  
開館時間: 平日 10:00〜18:00  土・日・祝日 9:00〜17:00
※休館日は毎週水曜日(休日の場合はその翌日)及び12月28日〜1月4日
アクセス: ・JR  灘駅北口から北西に約600m
・阪急電車 王子公園駅西口から西 約500m
・阪神電車 岩屋駅から北西 約850m
・市バス  王子動物園前下車、西へ約200m
※駐車場はありません
住所: 神戸市灘区王子町3-1-2
TEL: 078-882-2028
URL: http://www.kobe-np.co.jp/info/bungakukan/index.html




神戸の文学碑を訪ねる

●山本周五郎「須磨寺附近」●
●陳舜臣●
山本周五郎の初期の作品である「須磨寺附近」の文学碑。 碑文は「須磨寺は秋であった。」から始まる。
場所:須磨寺(須磨区)
七言絶句の漢詩2首が碑文として書かれている。
源平合戦の頃、平家を偲ぶ内容が詠われている。
場所:須磨寺(須磨区)
●松尾芭蕉●
●与謝蕪村●
須磨・明石の景色を詠んだ句が碑句として記されている。
昔、播磨と摂津の国境だったと言われるこの地で芭蕉は景色を眺めたのだろうか。
場所:須磨浦公園(須磨区)
春の海を詠んだ句が句碑に刻まれている。
蕪村は瀬戸内海のやわらかな海ののどかさを眺めながら句を読んだと思われる。
場所:須磨浦公園(須磨区)
●水上勉「櫻守」●
●谷崎潤一郎「細雪」●
小説「櫻守」の竹部庸太郎のモデルとなった笹部新太郎の屋敷跡である。
笹部氏の名前にちなんだ笹部さくらが綺麗に咲く。
場所:岡本南公園(東灘区)
細雪碑として建てられた文学碑。
小説中の住吉川の氾濫に関する一説が碑文として刻まれている。
場所:甲南小学校横(東灘区)